日本化学会誌(化学と工業化学)
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第2級ハロオクタンとエチレンオキシドの反応
武田 徳司安原 諭
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1976 年 1976 巻 10 号 p. 1579-1582

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抄録

第2級ハロオクタンとエチレンオキシド(EO)を,ハロゲン化亜鉛存在下で反応させた結果,炭素-ハロゲン結合間にEOが挿入された2-ハロエトキシ誘導体が生成することを認めた。2-,3-,および4-プロモオクタン[1]とEOの反応においては,2-(2-プロモエトキシ)オクタン[2],3(2-プロモエトキシ)オクタン[3],4-(2-ブロモエトキシ)オクタン[4]の三異性体混合物を与えた。2-プロモオクタン[1a]とEOの130℃の反応において,この異性体混合物は52%の収率で得らたが,150℃ではこの収率および[1]の回収率ともに低下した。また,触媒量は[1a]に対しモル比で0.03~0.1が最適であった。
反応生成物の異性体分布についで検討した結果,130°Cにおいては,反応時間30分以後[1a],3-プロモオクタン[1b],4-プロモオクタン[1c]のいずれを原料とした場合にも[2]>[3]>[4]の順の分布となった一方,110℃では,原料の臭素の位置が2-プロモエトキシル基で置換された異性体がもっとも多い分布となった。

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