日本化学会誌(化学と工業化学)
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ニッケル-アルミナ触媒によるC5-およびC6-パラフィン類の水素化分解反応の選択性
三木 康朗山田谷 正子大場 昌明
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1822-1826

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抄録

ニッケルーアルミナ触媒上でペンタン,インペンタン,ヘキサン,2-メチルペンタンおよび3-メチルペンタンの水素化分解反応を水素圧10atm,温度260~320℃で行ない,反応生成物分布およびそれにおよぼす反応条件(温度,接触時間など)の影響を調べた。
上記反応条件下において,インペンタンの全転化率はペンタンのそれに等しく,2-メチルペンタンの全転化率はヘキサンのそれに等しかったが,3-メチルペンタンのそれはやや高かった。
各炭化水素の水素化分解反応について,生成したメタンとその他の炭化水素の収率の関係などを調べて反応経路を検討した結果,いずれの反応においても逐次的な脱メチル反応(1)が主反感であり,このほかに分解反応の中間生成物が気相に現われずにメタンに分解する反応(II)および中間部のC-C結合が切断する反応(III)が並列的に起こると考えられた。
3種類のC6-パラフィンの反応について,上記の三つの反応への選択率を調べた。260℃における各反応において,生成したメタンの約213は反応(1)により,113は反応(II)によると計算された。反応(III)への選択率はヘキサンがもっとも高く,第二級炭素原子間の結合(CH2CH2)は第二級炭素原子-第三級炭素原子間の結合(CH2-CH)よりも分解しやすいことが示された。

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