日本化学会誌(化学と工業化学)
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核置換フェニル=2,2,2-トリフルオロエチル=エーテル,=スルフィド,およびN-(2,2,2-トリフルオロエチル)アニリン類の合成と1Hおよび19F NMR的研究
中井 武田中 潔石川 延男
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1976 年 1976 巻 12 号 p. 1888-1892

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抄録

一般式[1]で表わされる一連の化合物の合成とそのNMR的研究を行なった。核置換フニニル2,2,2-トリフルオロエチルエーテル,およびスルフィド類は1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタンとナトリウムフェノラート類,および=ベンゼンチオラート類とからそれぞれ合成した。またN-(2,2,2-トリフルオロエチル)アニリン類は相当するアニリン類をトリフルオロアセチル化したのち還元して合成した。それらのH,9FNMRを測定した結果,トリフルオロメチル基の化学シフトδ(CF3)におよぼすXの効果は,0>N>Sの順になりX=Sの場合がもっとも低磁場にあった。一方,Yの効果はほとんど認められなかった。また,メチレン基の化学シフトτ(CH2)におよぼすXの効果は,期待されたように0<N<Sの順になりX=0の場合がもっとも低磁場にあった。一方,Yの効果はわずかではあるが電子供与基(Y=p-MeO,p-Me)は高磁場に,電子求引基(Y=3-F)は低磁場にシフトさせる傾向が認められた。さらにXCH2CF3基のTaftの置換基定数σx,σR,を求めた。その結果,その電子効果はXCOCF3基とXCCH3基の中間にあることがわかった。

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