日本化学会誌(化学と工業化学)
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硫酸の接触分解
石川 博中根 正典石井 英一上原 斎三宅 義造
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1977 年 1977 巻 12 号 p. 1817-1822

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抄録

水を熱化学的に水素と酸素に分解する反応サイクルにおいて,酸素発生反応の-つである硫酸の分解について98wt%硫酸を対象にしSO3の接触分解触媒の探索を行なった。
750~900℃の操作温度においては共存する水蒸気は平衡論的に不活牲ガスとみなすことができる。触媒として活性なものとしては.__.ri"Pd,Pt,CuO,i.,V205が上げられる。Pd,Ptについてはいわゆる吸着などの触媒機構により広い温度範囲で良好な触媒効果を示す。,-,..,Gにっいても化学量論的組成からの微小偏位を含めた酸化還元機構によりその触媒作用を説明することができるが,硫酸塩の生成,分解反応が関与するためにとくに硫酸塩の生成領域となってくる800。C以下において触媒効果は低下し,担体に対する触媒の付着量と導入ガス中のSO,濃度の関係が問題となる。
10~20メヅシュのアルミナを担体とし,これに5wt%のPtを付着させることにより反応温度800~900℃,導入ガスの触媒層中空間速度5000~10000hr螢1においてほぼ理論平衡分解率に等しい値を,得ることができ,灘化エネルギーは1agkcaVm,1因子は42×107hr-1と求められた.また,についても担体に対し5wt%付着させれば白金とほぼ同程度の効果が得られた。

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