日本化学会誌(化学と工業化学)
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水蒸気吹き込み下における水酸化ナトリウムを触媒とするポリヘキサンアミドの解重合
大坪 敞浜中 寧外村 征洋
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1977 年 1977 巻 7 号 p. 1041-1045

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抄録

ポリヘキサンァミドの解重合反応により6-ヘキサンラクタム(以下ラクタムと略記する)を回収する方法として,過熱水蒸気吹き込み下,水酸化ナトリウムを触媒とする解重合反応について検討し,以下の結果を得た。
ラクタム生成速度は零次反応にしたがって進行し,その速度定数為は,末端カルボキシル基による酸触媒項k-COOと末端カルボキシル基が水酸化ナトリウムによって中和されるための無触媒頃k-COON。とにわけられ,ラクタム生成速度定数kは,k=k-COOH+k-COON,で表わされる。k-COOHk-COON,であるために少量の水酸化ナトリウムの添加では無触媒よりもラクタム生成速度は低下し,多量の水酸化ナトリウムの添加でポリヘキサンァミドの主鎖アミド結合の加水分解によって分子数が増大するためにラクタム生成速度は添加触媒量に比例して増大する。
また,一定触媒量におけるラクタム生成速度定数はArrhenius式をよく満足し,2.00wt%時の見かけの活性化エネルギーは27.5kcal/m。1と計算された。
また,減圧下での解重合反応と異なり,6-アミノヘキサン酸ナトリウムも水酸化ナトリウムと同じ触畢媒効果を示した。

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