溶融塩化物への液体金属アルミニウムの分散について検討した。金属アルミニウムとNaCl-KCIあるいはBaCl2-KCI混合塩に少量のアルミナを加え,700~900,Cでかきまぜるとアルミニウムは微粒子となって溶融塩中へ分散した。分散したアルミニウム粒子は時間が経過するにつれていくぶん合し,マグネジウム,の場合より不安定であった。アルミナの添加量あるいは温度の変化に対して,分散したアルミニウム粒子の比表面積は極大点をもつ曲線となった。また溶融塩にフッ化ナトリウムを添加すると分散したアルミニウムの比表面積は減少した。アルミニウムはアルミナとアルミニウムの反応によって生成するアルミニウムの低級酸化物(Al,O)の被膜によって安定化させられていると考えられ,事実固化試料のESCAスペクトルはAl+め存在を支持するものであった。
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