1977 年 1977 巻 9 号 p. 1261-1263
ガラス管に-対の白金線を封入したセルをつくり,寒天ゲルを詰め,電解質をそのゲル内に拡散し,-定時間ごとに電極点での電導度を測定して濃度を求め,拡散係数Dを算出した。測定されたD値は電極点濃度の増加とともに少しずつ低下した。そこでDと時間との間には直線関係があることを利用して,時間0での外挿値(D,)を拡散係数の代表値とした。このD。値は無限希釈における拡散係数であると推定された。よって拡散開始前にゲル中にあらかじめ電解質を含ませておくことにより,その濃度における微分拡散係数とみなされる値を得た。また拡散溶液濃度のD。値への影響は,ほとんどなかった。さらに接触面から電極点までの距離(1~2cm),およびセルの管径(4~8mm)をいろいろ変えたセル(No.1~13)を試作し,D。を測定した。そのD.値は(1.841~1.892)×10環5cm21sの範囲にあり,ほぼ-定の値(1.867±0.016)×10画5cm黛1sとなった。
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