日本化学会誌(化学と工業化学)
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ボルタンメトリー検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによる微量アミノフェノール異性体の定量
丸山 正生掛本 道子
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1978 年 1978 巻 12 号 p. 1646-1649

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抄録

ウォール・ジェット電極を用いたボルタンメトリー検出器を微量アミノフェノール異性体の定量に利用した。アミノフェノール異性体は固定相にμ-ボンダパックCl8,溶離液に0.1mol/dm3の過塩素酸溶液を用いることによりたがいに分離した。検出器の設定電位は+1.0Vvs,SCEで測定した。
m-アミノフェノールの場合,2×IO-10~2×10-7gの間で濃度と電流の間で直線性があり,最小検出量は2×10-10gであり,o-,p-アミノフェノールについては5×10-10gであった。ボルタンメトリ_検出器はUV検出器(254nm)にくらべて高感度であった。多量のm-アミノフェノール中の微量のオルト体,パラ体を設定電位を変えることにより選択的に検出,定量でき,この場合の検出限界はほぼ10ppmであった。さらにこの方法を高純度アミノサリチル酸中の不純物であるアミノフェノールの定量に応用した。
ボルタンメトリー検出器はアミノフェノールのような電気化学的に活性な物質の高感度で選択的な検出に有用であった。

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