抄録
トリフェニルポスフィγ-トリクロβメチル化合物とスチレンオキシドの反応について研究した。トリク冒ロメチル化合物として四塩化炭素を用いると,スチレンジクロリド[2],α-クロロスチレン[3],[クロ冒(トリフェニルボスホラニリデン)メチル]トリフェニルポスホニウム=クロ墾ド[4],トリフェニルポスフィンオキシド[5]およびクロ癖ホルムを生成した。
本反応はアセトニよリルのような極性溶媒中で加速された。また,スチレンオキシドに対して過剰のホスフィンを作用させると[3]はほとんど生成せず[2]がほぼ定量的に得られた。しかるに,この反応系にフェノールを添加すると,逆に[3]が高収率で得られた。他のトリクβロメチル化合物も四塩化炭素と同様な生成物を与えるが,より電子求引性の置換基をもつトリクロロメチル化合物では[2]/[3]の生成比は大となった。-方,ヘキサクロロエタン反応は室温で進行し[2]が定量的に得られた。これらの結果から本反応の機構を推論した。