日本化学会誌(化学と工業化学)
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ニリン酸ジルコニウムと酸化マグネシウムとの反応
木下 真喜雄松田 大
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1979 年 1979 巻 2 号 p. 189-194

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抄録
ニリン酸ジルコニウムとアルカリ土類金属酸化物との固体状態における反応を系統的に調べるため,まずZrP2O7とMgOとの反応を検討した。
反応は拡散対(錠剤法)および種々の混合試料を用いて,定温法(1200℃,24hr)および昇温法(昇温速度10℃・min-1,室温~1400℃)などで行ない,これらの反応過程を粉末X線回折,示差熱分析などによって調べた。
この反応において生成する複リン酸塩は化学式MgZr4(PO4)6に一致した。MgZr4(PO4)6の生成はMgOとP2O5の相互拡散によって進行することが拡散対実験から推定された。10~90mol%のMgOを含む混合系の反応過程では多くの化合物,すなわちMgZr4(PO4)6,Mg3(PO4)2,Mg2P2O7,Mg(PO3)2,ZrO2(単斜および正方晶)および(ZrO)2P2O7などが生成し,その生成過程は複雑であった。しかし,反応は三つの濃度範囲(0~60mol%MgO,50~75mol%MgOおよび60~100mol%MgO)に大別でき,それぞれ主要な反応は最終的につぎの式のように表わすことができる
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