抄録
固定発生源からのNOxの処理法としてNOの接触酸化によるNOxの吸着除去法を検討した。NOxの吸着測定は常圧,19~65℃で内径10mmのガラス製U字管および内径21mmのガラ殖管を用い,流通法によって行なった。約500ppmレベルで市販のシリカゲルおよびゼオライトを用いて連続流通法でNO2の吸着を測定した結果,いくつかのゼオライトは実用的に使うのに十分な吸着量を示した。すなわち,1・41~5・78gNO2/1009固体であった。モルデナイト系ゼオライトは耐酸性が認められた。
H2o,CO2,およびゼオライト表面に生成したNO,はNOの酸化反応を抑制する。とくにH20の影響はいちじるしく,ガス中のH2oを0.04%程度にしないかぎり有効なNOの酸化は得られなかった。SO2は200PPm程度共存してもNOの酸化反応に影響を与えず,SO2も同時に吸着,除去された。
ゼオライト上に吸着したNOxの脱離は200~500℃で行なった。NOxはNOまたはNO2単独で吸着する以外にNO-NO,間の相互作用の結果(NO)x(NO2)vの形で吸着すると考えられた。