日本化学会誌(化学と工業化学)
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塩化チタン(IV)を使用した二三の合成反応 塩化アルミニウムとの比較
山本 二郎池田 善武猪原 忠教中田 英樹梅津 雅裕
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1981 年 1981 巻 12 号 p. 1911-1915

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抄録

塩化チタン(IV)を触媒として用いるベンジルアルコール類と二三の芳香族炭化水素とのFriede1-Crafts反応を試み,単離収率を明らかにした。ベンゼンのベンジルアルコールによるベンジル化反応において,塩化アルミニウムと塩化チタン(IV)を用いたときの触媒効果を比較したところ,いくらかTiCl4を使用した方が速く反応した。3-メチルフェニル=ベンゾアートと3-クロロフェニル=ベンゾアートを無溶媒およびニトロメタン中AlCl3およびTiCl4とでFries転位を行なって,以前行なわれた研究と対比させながらオルトパラ比について比較した。3種類のベンジルアルコールをエーテル中TiCl4で処理すると,それぞれ相当する塩化ベンジルを生成し収率にいちじるしい置換基効果がみられたが,AlCl3を使用したさいにはこの反応は起こらなかった。アゾキシベンゼンとTiCl4との等モル反応ではアゾベンゼンが生成するが,TiCl4の使用量を増すと4-クロロアゾベンゼンが生成し,AlCl3の場合でもほぼ同様の結果が得られた。ベンジルアルコールおよびアゾキシベンゼンのTiCl4による塩素化反応の経路について,若干の議論を加えた。

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