抄録
酢酸中で,α,α-ジメチルベンジルニヒドロベルオキシドの分解反応を酢酸銅(II)を用いて行なったところ,その分解活性は低いものであった。酢酸中では,おもに酢酸銅(II)は二量体として存在していることが知られており,α,α-ジメチルベンジル=ヒドロペルオキシドの分解に関しては,酢酸銅(II)二量体の活性は低いものと考えられた。また一方,酢酸中でのα,α-ジメチルベンジル=ヒドロペルオキシドの分解反応において,酢酸銅(II)存在下にアルカリ金属ハロゲン化物を添加した場合の影響について検討してみた。銅(II)-クロロ錯体の生成の結果として,α,α-ジメチルベンジル=ヒドロペルオキシドの分解反応は迅速に進行するようになった。α,α-ジメチルベンジル=ヒドロペルオキシドの銅(II)-クロロ錯体による分解反応において,主生成物としてアセトフェノンが得られた。反応機構について考察した。