日本化学会誌(化学と工業化学)
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新活性エステル合成試薬ジスクシンイミド=カルボナートとスクシンイミド=ジフェニル=ボスファートの合成とその応用
小倉 治夫武田 収功
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1981 年 1981 巻 5 号 p. 836-844

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抄録
du Vigneaudらがオキシトシンの全合成を報告して以来,生理活性ペプチドの合成反応は大きく発展してきた。ペプチド合成化学ではとくに保護基と縮合方法の改良という技術面での進歩が大きく多くの試薬類が開発されてきた。中でも活性エステル法はペプチド合成上重要な縮合方法で,幾多の縮合講薬が開発されている。
著者らは従来から縮合試薬として用いられてきたジシクロヘキシル力ルポジイミド(DCC)を用いる活性エステル合成法を改良する目的で,活性エステル合成試薬としてのジスクシンイミド=カルボナート(DSC)[9]と,ペプチド合成試薬としても使用できるスクシンイミド=ジフェニル体ホスファート(SDPP)[27]を合成した。これらを用いて生理活性ペプチドを合成する目的で,N-保護アミノ酸活性エステルゆ合成およびペプチド誠の可能性を検討した。
DSCはさらに,カルボニル基挿入反応,脱硫化水素反応に応用できることを明らかにした。本論文では以上2種の試薬の応用について報告する。
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