日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
2-メルカプトエタノール変性1,2-ポリブタジエンを用いたアルカリ現像型光重合性ポリマーの合成と感光性
余 尚先山岡 亜夫
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 1983 巻 7 号 p. 978-985

詳細
抄録
2-メルカプトエタノール付加1,2-ポリブタジエンの側鎖にアクリル酸およびフタル酸マレイン酸,イタコン酸,トリメリト酸,テトラヒドロフタル酸,5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸のいずれかをエステル化した17種の感光性ポリマーを合成し,それらの感光特性を調べた。これらのポリマーめうち酸無水物を分子中のヒドロキシル基に対し1/3mol%以上エステル化したものは希アルカリ水溶液に対し可溶性である。
これらの感光性ポリマーは光重合開始剤の使用により光不溶化し,たとえば,二元系開始剤として2,4-ジイソプロピルチオキサントン/p-ジメチルアミノ安息香酸イソペンチルエステルを用いることにより,ケミカルランプで3.0~9.8mJ/cm2の範囲の感度を示した.ポリマーを不溶化するために必要な最低光量は開始剤濃度が低い場合では,その濃度の1/2乗に比例し,ポリマーマトリヅクス中においても1/2乗則がなり立つことが示される。また,薄膜状態の分光感度特性から,最低硬化光量は開始剤のモル吸光係数とよく対応する。
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top