直接浸漬法で作成した第1~第5ステージまでの黒鉛-硝酸層間化合物の-196~25℃における軸長(identity period)の温度依存性をX線回折法により調べた。その結果,(1)相転移に基づく異常膨張む幅は,第1,第2および第3~ 第5ステージに対してそれぞれ0.025,0.031および0.045Åであった。また相転移温度は,第1ステージでは-10℃付近であるが,高次ステージではさらに低温域に移動すること,そして温度低下の現象がごくわずかの分解によっても生ずることがわかった。(2)5℃付近の小さな相転移の存在が,その前後の膨張係数の違い,あるいは異常膨張から明らかになった。(3)室温付近の膨張係数は第2~第5ステージに対してそれぞれα(2nd)=49.9×10-6/K,α(3rd)=43.0×10-6/K,α(4th)=41.9×10-6/K,α(5th)=37.o×10-6/Kであった。
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