日本化学会誌(化学と工業化学)
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飽和ケイ素化合物の分子力場定数の決定と配座解析への応用
田代 浩二海野 美奈子永瀬 茂寺前 裕之
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1986 年 1986 巻 11 号 p. 1404-1408

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抄録

Allingerの分子力場計算(MM2)のための飽和ケイ素化合物の力場定数を,分子軌道法を用いて決定した。決定した力場定数を用いて計算した構造と生成熱は実験値およびab initio計算値と非常によい一致を与えることを示した。ケイ素化合物の構造と安定性を明らかにするために,環状化合物としてヘキサシラシクロヘキサン(Si6H12)とその誘導体を,鎖状化合物としてボリシランSinH2n+2(n=1~30)を取り上げ,類似の炭素化合物と比較した。ケイ素化合物の立体配座異性体間のエネルギー差は炭素化合物の場合よりもきわめて小さいことを見いだした。とくに興味深い結果は,直鎖パラフィン(CnH2n+2)では炭素鎖がまっすぐに紳びた直鎖構造をとるのに対して,ポリシランではn=7以上になるとケイ素鎖がらせん構造をとることである。

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