1986 年 1986 巻 11 号 p. 1665-1670
質量分析法を極性化合物や熱的に不安定な化合物の解析へ応用可能にしたFABイオン化法と,GC/MSやLCIMSのGCやLCに相当する分離手段をもMSで行なうMS/MS法との組み合わせによるFABMs/MS法の構造解析ぺの応用の基礎検討を行なった。その結果,FABMS/MS法を用いることによって分子量決定がきわめて容易に行なえること,部分構造の決定が構造異性体の判別も含めて比較的容易に行なえること,さらにフラグメントイオン相互間のかかわり合いを容易にかつ明確にすることができることヵミわかった。したがって,FABMS/MS法から得られる情報を組み立ててゆくことによって,有機化合物の構造決定がなされ得ることを明らかにすることができた。
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