抄録
8-メチルカラメネン[6]とその位置異性体[7]および[8]のそれぞれジアステレオマーを合成し, それらの1H-NMRを検討した。
m-キシレンから誘導したアルコール[12], [13]は酸触媒による反応でそれぞれ8-メチルカラメネン[6A]および4-イソプロピル-1,5,7-トリメチルテトラリン[7A]を主成分とするテトラリン置換体混合物を生じた。また, ρ-キシレンから誘導したアルコール[14],[15]は酸触媒による反応で4-イソプロピル-1,5,8-トリメチルテトラリン[8A]を主とするジアステレオマー混合物を生成した。これに対して, ジヒドロイソプロピルトリメチルナフタレン[16], [17]および[18]をPd-C触媒により水素添加すると, それぞれからテトラリン[6B], [7B]および[8B]だけが得られた。テトラリン[6], [7]および[8]の1H-NMRで, イソプロピルメチル基2個の化学シフトの差(Δδ1)にジアステレオマー[A,B]の相違が認められた。
構造確認のためトリメチルイソプロピノセナフタレン[9], [10]および[11]もまた合成した。