1987 年 1987 巻 11 号 p. 1964-1969
活性炭またはアルミナ担持の高分散ニッケルおよびコバルト触媒が,セルロース-金属水酸化物ゲル膜またはアルミナー金属硝酸塩ゲル膜の前駆体から熱分解により調製された。ゲル膜前駆体は,ゾル.ゲル法により,それぞれ多孔性セルロースゲル膜または塩化アルミニウムから調製した超微粒子アルミナゾルから作製した。調製触媒の金属粒子の大きさは,均一な前駆体ゲルのゲル網目により鋼御される。このようにして調製した触媒の反応性を,1,3-および1,5-シクロオクタジエンの水素化反応により検討した。ジエンからモノエンへの選択性および活性は,触媒の粒径が小さくなるにつれて増加する傾向を示した。また,本触媒を通常の含浸触媒と比較したところ,モノエン選択性は同程度かそれ以上であったが,活姓はRaney触媒より低かった。これは,調製のさいに金属粒子が担体により被覆されることによると思われる。本調製法は,活性炭またはアルミナ担持の高分散金属触媒を一挙に調製することができるとともに,一般に行なわれている超微粒子触媒の担体上への固定化プロセスを簡略化することができる。
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