日本化学会誌(化学と工業化学)
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アルミン酸カルシウム-二酸化ケイ素-二酸化チタン成形体担持Pt-Pd系触媒の酸化炭素酸化特性
西野 敦小野 之良沼本 浩直竹内 康弘
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1987 年 1987 巻 4 号 p. 645-653

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抄録

著者らはアルミナセメントを結合剤とする成形触媒を研究開発した。この触媒は,Al203.CaO-溶融SiO2-TiO2の組成からなる担体に微量のPt/Pdを担持している。この触媒はウォッシュコートを必要とせず,高比表面積を有し,生活関連触媒として世界的に実用化されている。
この触媒の製法は,粉末状の担体組成に成形に足る水を十分に添加して,ペースト状とし,ついで,ハニカム状に成形する。つぎに,温水中で養生後,乾燥し,貴金属触媒を担持したのちに約550℃ でか焼し,本触媒を得る。
本研究では,アルミナセメントの種類,担体中のTiO2添加量,Pt/Pdの組み合わせと最適担持量,最適熱分解温度などをCO浄化能との関係で検討し,さらに,石油ストーブでの触媒効果を調べた。これらの結果を要約すると.1)アルミナセメントは1号がCO浄化能,機械的強度ともに優れている。2)担体中の最適TiO2添加量は20~50wt%で,700℃ 以下で効果的である。3)Pt/Pdの組み合わせはPt/Pd=2/1が好ましい。4)石油ストーブの実用テストでは触媒の効果は顕著で,実用寿命も十分確認できた。

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