1988 年 1988 巻 6 号 p. 952-958
スチレン-ジビニルベンゼン共重合体の多孔性樹脂中に, 3-クロロプロピオニルクロリドとチオシアン酸カリウムを用いてイソチオシアナト基を簡単に導入する手法を開発した。得られたイソチオシアナト基を有する樹脂を用いて, ウシ血清アルブミンやウシ血清γ-グロブリン水溶液からのこれらタンパク質の結合除去性能を検討したと pH や温度を変えて結合挙動を調査したところ, タンパク質の結合には疎水牲相互作用と共有結合が関与していることが明らかになった。固定化酵素を用いた血清中グルコースの連続分析装置に, この樹脂を充填したカラムを除タンパク前処理用カラムとして組み込んだところ良好な性能を示した。また, アルカリホスファターゼや β-D-ガラクトシターゼをイソチオシアナト基含有樹脂に結合した場合その操作安定性は良好で, ここで得られた樹脂は固定化酵素用担体としても有用であることが判明した。
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