日本化学会誌(化学と工業化学)
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固体試料中の有機塩素化合物の分析方法
浦野 紘平阿部 欣文川本 克也
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1989 年 1989 巻 9 号 p. 1635-1641

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抄録

有機塩素化合物による地下水汚染が問題となっている。これは,排水や廃棄物などの中の有機塩素化合物が土壌を通して地下水を汚染したためと考えられている。しかし,廃棄物や土壌中の有機塩素化合物を分析する簡便で正確な方法はない。本磁究でほ,廃棄物療鑛中の全有機塩素や個別の有機塩素化合物を分析する方法を開発した。すなわち,つぎの操作と条件によれば,簡便かつ正確に有機塩素化合物が分析できることを明らかにした。(1)10gの固体試料に20mlの酢酸エチルと5ml程度の水を加えて,超音波をかけながらふりまぜ抽出する。(2)残留物に20mlの酢酸エチルを加えて抽出する。(3)両方の酢酸エチルを合わせる。(4)少量の硫鹸チトリウムで酔酸エチルを説水する。(5)酢酸エチルを50mlにする。(6)指定したガス流量と試料液注入速度でTOX計によって全有機塩素濃がをげノ度を測定するか,ECD付きのGC個別偽合物濃度を測定する。この全操作での各種有機塩素化合物の画収率は,TOX計で73~102%,GC-ECDで85~101%であった。

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