日本化学会誌(化学と工業化学)
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アルミナーリン酸アルミニウム担持銀一マンガン触媒によるクロトンアルデヒドの液相水素化反応
永瀬 恵徳村松 秀昭佐藤 拓児高橋 敏幸高橋 雅彦
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1990 年 1990 巻 11 号 p. 1230-1237

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抄録

アルミナーリン酸アルミニウム担持銀触媒とマンガソ添加触媒を用いて,クロトンアルデヒドの液相水素化反応を行い,反応率とtrans-2-ブテン-1-オール選択率との関係について調べた。本触媒は,リソ酸・硝酸アルミニウム混合溶液とアンモニナ水から得たゲル状沈殿物に金属硝酸盗を含浸する方法により調製した.触媒の担体組成比P/A1(原子比)を大にすると,AIPO4の結晶化が起とり,生成した旅ρπ5-2一ブテンー1一オールの0部が脱水素反応によりクロトンアルデヒドを生じ,原料が増加して反応率が低下する。選択率は,P/Al=0.8までほぼ一定となり,P/Al=1・0でAg3PO4の結晶化にともない低下する・マンガソ添加銀触媒では,反応率r選択率ともに増加し,Mn/Ag(原子比)=1.5以上で,ブテソ4-オ-ル収率は70.5xnal%となり,マソガン未添加触媒を用いた場合の36.6mo1%と2-くらべていちじるしく高くなった。マンガン添湘銀触媒は,クロトンアルデヒドの炭素一炭素二重結合の水素化を搾葡して,ブチルアルデヒドの生成率を減少させ,同時に2-ブテン-1-オールの一部脱水素反応も抑制する距め,2-プテン1-オール収率が向上すると考えられる。

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