日本化学会誌(化学と工業化学)
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O-アルキルジチオ炭酸(キサン卜ゲン酸)錯体抽出/誘導結合プラズマ発光分析法による触媒中の白金の定量
渡部 英雄相原 将人木卜 光夫
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1991 年 1991 巻 11 号 p. 1491-1494

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抄録

O-アルキルジチオ炭酸塩類を用いる微量白金の溶媒抽出/誘導結合プラズマ発光分析法について検討した。白金-O-アルキルジチオ炭酸錯体は弱酸性溶液中から抽出され,最適なpHは5.2~6.2であった。抽出試薬は,O-ブチルジチオ炭酸カリウムが最適であり,添加濃度O.OO1~0.05molで最大かつ一定の抽出率を示した,実試料中に含まれる共存物質の影響について検討したが,ニッケル(II)が5mg共存すると白金の回収率は85.6%と負の干渉を示したが,1mg以下ではまったく影響しなかった。その他の陽イオンについては,検討した範囲内ではまったく影響しなかった。また10.0,30.0および50.0μgの白金をとり,それぞれ10回の定量を繰り返した結果,相対標準偏差は1.4~1.5%であり,定量精度は良好であった。
本法でアルミナを担持体とする触媒中の白金の定量を行った結果,分析値は参考値とよく一致した。

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