1992 年 1992 巻 3 号 p. 341-345
大気中の有機化合物の挙動を把握するためには有機化合物の反応性ばかりでなく,大気と接するものとの相互作用についても検討する必要がある。ここでは,大気中の有機化合物質として水に対する溶解度の大きなメタノール,エタノール,1-プロパノール,1-ブタノール,1-ヘキサノールの5種類を用いた。一方,大気と接する物質として土壌(関東ローム)を用いxその含水比を変えて,アルコール類の収着について検討を行った。アルコール類の土壌による等温収着において,その収着量は収着平衡濃度に比例し,すべてHenry則で取り扱えることが明らかとなった。土壌の含水比の変化に対し,Henry則定数は含水比20~30%の範囲においてすべてのアルコール類が最も小さいことが明らかとなった。したがってaいずれの含水比からも含水比が20~30%に近づくにつれてアルコールを収着した土壌からアルコールが発生する可能性があることがわかった。この現象が水溶性物質の一般的な性質であることを確認するために,カオリン系土壌,アセトン,アセトアルデヒドなどを用いて実験を行った結果,一般的な性質であることが明らかとなった
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