日本化学会誌(化学と工業化学)
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フェリアルミノシリケートの酸特性およびメタノールの転化反応に対する触媒特性
今井 哲也佃 岩夫野島 繁飯田 耕三
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1995 年 1995 巻 3 号 p. 184-190

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抄録

Si/Fe比,Si/A1比が異なるMFI型構造のフェリアルミノシリケート,フェリシリケートおよびアルミノシリケートを合成し,酸特性,耐スチーミング性,およびメタノールの転化反応に対する触媒特性について検討を行った.フェリアルミノシリケートにおいて,Feはゼオライト骨格に組み込まれて強酸点を形成するが,アルミノシリケートの強酸点よりも酸強度が弱いことがわかった.FeとAlの含有量の合計が約400μmol/g以下の領域では,強酸量はFeとAlの含有量の合計の約80%で,含有量に比例して増加するが,それ以上の領域では,FeとAlの含有量の増加量に対し約15%の割合で増加することが明らかになった.873Kで18時間スチーミソグ処理を行ったフェリアルミノシリケートにおいて,FeとA1の含有量の合計が約400μmol/g以下の領域では,強酸量はFeとA1の含有量の合計に比例して増加するが,それ以上の領域では,ほぼ一定になることがわかった.スチーミング処理による骨格中の舟の脱離については,フェリアルミノシリケートの方が,アルミノシリケートより起こりにくいことがわかった.スチーミング処理を行ったフェリアルミノシリケートにおいて,メタノールの炭化水素への転化反応に対する触媒特性については,Fe含有量約200μmol/gのフェリアルミノシリケートが最も活性が高いことがわかった.

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