日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
Sb(OSiR3)3型アンチモン化合物の合成とその性質
長谷川 稔松本 英之
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1995 年 1995 巻 7 号 p. 550-556

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抄録

トリス(トリメチルシロキシ)スチバン(1),トリス(トリブロピルシロキシ)スチバン(2),トリス(トリイソプロピルシロキシ)スチバン(3),トリス(t-ブチルジメチルシロキシ)スチバン(4)およびトリス(トリフェニルシロキシ)スチバン(5)を塩化アンチモン(III)とそれぞれ対応するナトリウムシラノラートの反応により合成した.得られたアンチモン化合物は,IR,1H-NMR,13C-NMR,29Si-NMR,質量スペクトルにより同定した.なお,質量とNMRデータからこれらは単量体構造をとっていると推定された.化合物1~4は容易に加水分解され,酸化アンチモン(III)とそれぞれ対応するシラノールを与えた.加水分解で生成する酸化アンチモン(III)の構造は加水分解条件によって変化し,たとえば水/メタノール水溶液中ではSenarmontiteを生成したが,水/アセトン水溶液中では1~2がSenarmontite,3~4がValentiniteを与えた.

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