1997 年 1997 巻 2 号 p. 119-126
塩化ニッケルを触媒として,芳香族Grignard試薬と芳香族ハロゲン化物とを反応させたところ,高収率でクロスカップリソグ物を得ることができた.また,塩化ニッケル触媒を用いた場合ハロベソゼソ上のハロゲソ原子に対して選択的にクロスカップリソグ反応が進行し,臭素原子の位置に選択的にアリール基を導入することができた.これらの反応を利用し,耐熱性ポリマーの原料である非対称テルフェニル類を合成した.このことから,配位子を用いない塩化ニッケルをクロスカップリソグ反応に触媒として用いることで,より経済的,より選択的にクロスカップリング反応を行わせることができるようになった.一方,ヘテロ芳香族化合物のクロスカップリング反応においては,塩化ニッケル触媒は,顕著な触媒能を示さなかったが,チオフェソのGrignard試薬とクロロヨードベソゼソとの反応ではハロゲソ原子への選択性が発現し, ヨウ素原子の位置にチエニル基の置換した生成物を優先的に得ることができた.
この記事は最新の被引用情報を取得できません。