抄録
生体インピーダンス法による体脂肪率正常者における体格指数の意義を評価するため,人間ドック受診者に生体インピーダンス法を用いて体脂肪率測定を実施した。体脂肪率正常とされた30歳から64歳の男性753人のうち体格指数による肥満群(以下「見かけ肥満群」と略)206人と正常群542人との間で年齢階級別(5歳毎)に体脂肪率(±1%)と飲酒喫煙習慣(飲酒:非飲酒,週10合未満,週10合以上,喫煙:非喫煙,喫煙)とでペアマッチ検定を行った結果,平均値の差では見かけ肥満群で尿酸,GOTおよびGPTが正常群に比べて有意に高く,HDLコントロールは有意に低下していた。また,有所見率の差では,HDLコレステロール40mg/dl未満と中性脂肪150mg/dl以上の割合が正常群に比べて見かけ肥満群で有意に多くみられた。