1999 年 14 巻 2 号 p. 174-177
脂肪肝患者は生活習慣病に関連した検査が異常値を示す頻度が高いことはよく知られたことである。従来脂肪肝との関係をあまり指摘されていなかった蛋白分画のβ分画及びインピーダンス法で簡便に測定できるようになった体脂肪についても検討を行った。
β分画は統計的に高い有意差を示しトリグリセライドやHDLコレステロールに匹敵する水準であった。因子分析ではコリンエステラーゼやコレステロールと比較的近い位置関係にあったが相関係数で見るとこれら検査を含めていずれの検査とも相関性が低く独立した因子と考えてよいと思われる。体脂肪は脂肪肝群で異常者数が男女合計で91名69.5%にものぼり統計的に高度な有意差を認めた。今後β分画及び体脂肪を加えて脂肪肝や生活習慣病の診断に役立てることができる。