抄録
症例は65歳の男性で人間ドック健診で貧血を指摘され,精査で鉄欠乏性貧血と診断された。同時に実施した出血傾向の精査で,血小板の数形態には異常を認めないが,出血時間の延長,血小板停滞率の低下,また凝集能においてADP,コラーゲンに対して著減が認められたが,リストセチン凝集は正常であった。Macfarlane法による血餅退縮は軽度低下。フローサイトメトリーによる血小板膜上のαII bβ3発現量は9.2%であった。以上の結果から血小板無力症II型と診断され,また遺伝子解析から点変異の遺伝子異常が明らかとなった。