抄録
厚生省「肥満とやせの判定表」における普通体重では9.8%に脂肪肝が認められ,その約半数には耐糖能異常が認められた。さらに脂肪肝ではSGOT,SGPT,LAP,CHE,TGが有意に増加していた。やせぎみ及びやせすぎでの脂肪肝の頻度が3.0%である事から普通体重でも特に耐糖能異常例では脂肪肝の危険が生じると思われる。耐糖能異常は普通体重の31.3%に認められ,耐糖能正常に比べTGが有意に増加していた。やせでの頻度4.5%に比べ,普通体重耐糖能異常での脂肪肝の頻度は18.6%で明らかに増加していた。脂肪肝,耐糖能を指標とすると「やせぎみ」が耐糖能異常の頻度が最も低く,脂肪肝の頻度も低く適当な体重と思われる。