芳香族化合物長期投與時ニ於ケル肝臟ノ態度ニ就テ

第七編「マウス」ニ於ケル「オキシ」安息香酸長期注射實驗

抄録

「マウス」ニ於テ、「オキシ」安息香酸ノ三種ノ異性體ノ曹達塩ヲ、ソレゾレ二・〇%溶液トナシ、○・五ccヅツ連日注射ヲ續行スルニ、(イ)「オルト」・酸ノ場合ハ肝臟ニ於テハ次第二週邊脂肪變性著明トナリ、「グリソン」氏鞘ニ於ケル骨髄性化生竈ノ促進ヲ認メ、腎ニ於テハ「ネフローゼ」ノ像ヲ呈スルニ至ル。而シテソノ一定期ニ於テハ主部ノ障碍甚高度ナリ。又(ロ)「メタ」・酸ハ略々「オルト」・酸卜同ジキモ甚ダ輕度ニシテ腎臟ニ於テハ「ネフローゼ」ノ像ヲ認メガタシ。(ハ)「バラ」・酸ニヨル變化ハ肝臟ノ脂肪變性、腎臟ノ輕度ノ「ネフローぜ」ヲ主トシ、骨髄性化生ハ促進セザルモノ、如シ。