消化器病学
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「ヒスタミン」注射ニヨル健康者及ビ脚氣患者ニ於ケル肺胞瓦斯張力ノ變化ニ就イテ
古橋 忠一
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1936 年 1 巻 6 号 p. 1007-1059

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抄録
健康人及ビ合併症ナキ脚氣患者ニ就キ, 「ヒスタミン」(以下全部「ヒ」ト略記ス) 負荷試驗法ニヨリ「ヒ」注射前及ビ注射後160分迄ノ動靜脈性肺胞瓦斯張力ヲ測定シ, 其ノ變化ニヨリコレヲ次ギノ4型ニ區別セリ.
第1型 動靜脈性肺胞炭酸張力ハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 動靜脈性肺胞酸素張力ハ注射後20分以内ニ最高トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第2型 動靜脈性肺胞炭酸張力及ビ靜脈性肺胞酸素張カハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 動脈性肺胞酸素張力ハ注射後20分以内ニ最高トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第3型 動脈性肺胞炭酸張カハ注射後20分以内ニ最高トナリ, 靜脈性肺胞炭酸張力及ビ動靜脈性肺胞酸素張力ハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第4型 動靜脈性肺胞瓦斯張力ハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第2型 動靜脈性肺胞炭酸張力及ビ靜脈性肺胞酸素張カハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 動脈性肺胞酸素張力ハ注射後20分以内ニ最高トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第3型 動脈性肺胞炭酸張カハ注射後20分以内ニ最高トナリ, 靜脈性肺胞炭酸張力及ビ動靜脈性肺胞酸素張力ハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
第4型 動靜脈性肺胞瓦斯張力ハ注射後20分以内ニ最低トナリ, 次イデ漸次注射前ノ値ニ復ス.
健康人ハ第1型ニ屬シ, 注射後10-20分ニテ最高又ハ最低トナリタル肺胞瓦斯張力ハ, 注射後40分以内ニ殆ド總ベテ注射前ノ値ニ復ス.
脚氣患者中第1型ニ屬スルモノハ總ベテ輕症ニシテ, 注射後最高又ハ最低トナリタル肺胞瓦斯張カノ注射60分後, 尚注射前ノ値ニ復セザルモノハ, 「ヒ」注射前ノ肺胞瓦斯張力ノ正常範圍外ニアルモノニ多ク, 且斯カルモノハ多少ノ循環器系統障礙ヲ認ム. 第2型ニ屬スルモノハ總ベテ中等症ナリ. 而シテ「ヒ」注射後最高又ハ最低トナリタル肺胞瓦斯張力ノ「ヒ」注射60分後尚「ヒ」注射前ノ値ニ復セザノレモノハ, 「ヒ」注射前ノ肺胞瓦斯張カノ正常範圍外ニアルモノニ多ク, 斯カルモノハ自他覺的症状比較的著明ナリ. 第3型ニ屬スルモノハ總ベテ重症ナリ. 第4型ニ屬スノレモノハ比較的長キ經過ヲトリシモノカ, 或ハ輕快ニ向ヒヅヽアルモノナリ.
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