肺結核患者ノ消化器管内ニ於ケル結核菌ニ就イテノ研究
第三編 十二指腸液中ニ於ケル結核菌ニ就イテ
1938 年 3 巻 4 号 p. 667-678
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1938 年 3 巻 4 号 p. 667-678
余ハ第一編肺結核患者ノ糞便内結核菌研究ニ於テ, 糞便内ノ結核菌ガ喀痰ノ嚥下及ビ腸ノ結核性病竈ニヨルノ外時ニ膽汁モ亦菌排出ノ源泉トナリウルモノナルヲ推論セリ.次イデ第二編胃液内結核菌ノ研究ニ於テハ胃液内ニ發見セラルヽ結核菌ガ主トシテ喀痰ト共ニ嚥下セラレタルモノナルヲ立證セリ.而シテ引續キ本編ニ於テハ十二指腸液中結核菌ノ研究ヲ試ミタリ.
即チ余ハ35例ノ肺結核患者ニツキ, 岡田氏ノ3時間法及ビLyonノ硫酸「マグネシア」注入法ニヨリテ十二指腸液ヲ採取シ, 染色法竝ビニ培養法ニヨリ結核菌ノ檢索ヲ施行セリ.即チ「アンチクォルミン」硫酸法 (1%) ニテ集菌法チ行ヒタル後染色竝ビニ培養試験ヲ實施シ, 又培養基ハ余ノ改良鈴木氏銀杏鶏卵培地及ビPetragnani培地ヲ使用セリ.
以上實驗ノ結果ヨリ, 十二指腸液ニ於ケル結核菌ノ檢索ニハ培養法ハ染色法ニ比シ遙カニ優レルヲ認メタリ.又十二指腸液内ニ發見セラルヽ結核菌ハ前液ニ於テハ主トシテ胃液内結核菌ノ流入ニヨルモノレナドモ.重症肺結核患者ニ於テハ結核菌ガ屡々謄汁ト共ニ排出セラルヽモノナルヲ知レリ.
