透過性の極めて低い合板の気体透過率測定方法の確立

抄録

これまでに提案された木質パネルの透過性測定装置に対し、測定試料の両端に大気圧以下の任意の圧力を与えられるよう改良を施した。この測定系を用いて非透過性の物質の透過性を測定したところ、一部の圧力条件で非透過性物質の複数回の測定結果が非常に安定することが分かった。この非透過性物質の測定結果は測定系のリーク量であると仮定し、試料両端の差圧から測定系のリーク量を試料両端の差圧の関数として推定する式を決定した。これを各試料の測定結果から減ずることで、これまで測定できなかった極めて透過性の低い試料についても透過率を決定できることを明らかにした。これは木質材料の気体透過性の解明に関する研究に有用と考えられる。