農業集落を構成する世帯数が2000年から減少局面に入っており,小規模な集落が急増している.この動きは,集落の機能や活動を低下させる一つの要因となっており,特に山間農業地域で顕著である.
他方で,1990年から2010年の間に消滅した農業集落の数はごく僅かであった.しかし,コーホート分析によると,「存続危惧集落」が現在の3千集落から2050年には1万3千集落に増加し,山間農業地域では4分の1を超えると見込まれた.
これら分析結果は,このまま何もしなければ,集落をベースとした様々な活動が,近い将来多くの農業集落で継続できなくなることを示唆している.