農村研究
Online ISSN : 2436-9047
Print ISSN : 0388-8533
論文
アメリカ・日本間における粗飼料サプライチェーンの構造分析
—農協系統に焦点をあてて—
野口 敬夫
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2018 年 2018 巻 127 号 p. 1-17

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抄録

本稿では日本の農協系統に焦点をあて,アメリカ・日本間における粗飼料サプライチェーンの構造について分析した。2000年代後半以降,粗飼料の主な輸入先であるアメリカでは生産が減少する一方,UAE・中国への輸出が拡大し,粗飼料の生産者販売価格が上昇している。それに加えて2012年以降,円安が進んだことから,日本において粗飼料の輸入価格が高騰している。こうした状況に対し,農協系統はアメリカ現地に農場・倉庫の設置,トラックの所有など粗飼料生産・流通における設備投資の強化や,取扱規模の拡大に重点を置いた事業再編を進め,高品質な乾草やヘイキューブの安定調達,価格メカニズムの把握・調整,スケールメリットによるコスト削減に努めている。

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© 2018 食料・農業・農村経済学会
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