はじめに 1.理論:権利確定の二重システム 1.1.権利の創設 1.1.1.Demsetz 仮説 1.1.2.Demsetz 仮説の図式的表現 1.1.3.財産の価値と権利創設コスト 1.2.権利の二重性――排除とガバナンス 1.2.1.コスト構造の異なる権利確定方法としての排除権とガバナンス 1.2.2.排除とガバナンスの比較分析 1.2.3.排除権/ガバナンス理論の批判的検討 1.3.ルールの精確性問題としてのモデル分析 1.3.1.条件設定 1.3.2.排除権ルールによる場合の社会的厚生 1.3.3.ガバナンス・ルールによる場合の社会的厚生 1.3.4.両者の比較 1.3.5.含意 2.応用:物権と契約 2.1.Merrill & Smith によるproperty/contract の意義に関する議論 2.1.1.排除権? 2.1.2.モノに対する権利? 2.1.3.多数者に対する権利 2.2.物権と契約の区別(日本の議論) 2.2.1.分析の視点:物権と債権のジレンマ 2.2.2.初期の議論:第二ジレンマとの格闘 論 説 26 論 説 2.2.3.排他性の抽出と第一ジレンマへの移行 2.2.4.第一ジレンマ問題(1):物権の本質論 2.2.5.第一ジレンマ問題(2):物権的請求権 2.2.6.近時の状況 2.2.7.小括 3.二重システムの派生的制度 3.1.物権における派生的制度:物権法定主義 3.1.1.Merrill & Smith の情報コスト論 3.1.2.Hansmann & Kraakman の証明コスト論 3.1.3.議論のまとめ 3.2.契約における派生的制度:デフォルト・ルール おわりに 情報処理システムとしての法制度