理論と方法
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研究ノート
行列演算による結合度測定のアルゴリズム
木村 泰之山口 和範北山 聡
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1999 年 14 巻 2 号 p. 2_119-2_125

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抄録
 結合度は,ネットワークデータを分析する際に用いられる社会ネットワーク分析の指標である.結合度は,今まで頂点間の隣接関係をトレースしていくことによって求められてきた.このアルゴリズムは,コンピュータ科学の分野で深さ優先探索(depth first search)と呼ばれている手法に相当するものであり,グラフ構造を持つデータの深さを探る効率的なアルゴリズムであることが知られている.しかし,グラフ理論におけるパス定理とグラフの直径に関する性質を利用することによって,単純な行列の演算による結合度の測定が可能となる.本研究では,行列演算に基づく結合度算出のアルゴリズムを提示し,幾つかのデモンストレーションを行った後,結合度という指標をグラフ理論的な用語で定義する.
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© 1999 数理社会学会
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