理論と方法
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特集II 社会学と数理的視座
数理社会学と古典理論
―架橋を促すためのノート―
髙坂 健次
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2000 年 15 巻 2 号 p. 235-248

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抄録

 古典理論の数学的定式化の試みは少なからず存在するにもかかわらず、一般にはなぜか不十分だと考えられている。本稿では、数理社会学と古典理論の関わりを、理論的アイディアの写像、構造・過程の写像、概念・命題の写像の3レベルに整理したうえで、両者を架橋するために何が必要かを提案する。数理社会学に必要なのは社会学的センス(古典理論の素養、経験的洞察、歴史認識、実践的動機)であり、古典理論に必要なのは数学的センス(明確化、表現、説明)であることを指摘する。

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© 2000 数理社会学会
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