岡山体育学研究
Online ISSN : 2435-7855
Print ISSN : 1348-947X
総説
運動のうつ病予防効果と腸内細菌叢の関与
渡邉 知央小栁 えり青木 孝文濱田 大幹川島 将人山形 高司マイケル J. クレメニック矢野 博己
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キーワード: BDNF, serotonin, BBB, SCFA, Turicibacter
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 31 巻 p. 1-11

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抄録

 ヒトの腸内は,生体内最大の微生物生態系であり,推定100兆個の腸内細菌で構成された腸内細菌叢は,宿主の健康に大きな影響を及ぼす.本稿では,これまでに蓄積された文献を検討して,腸内細菌叢の関与という観点から,運動がうつ病予防に有効かどうかを解説する.特に,自発的な運動習慣がうつ病予防に有効であるという事実は,運動が腸内細菌叢の変化を介して,宿主に有益な効果をもたらし,うつ症状に応じて脳内の遺伝子発現を誘導している可能性を示している.

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