抄録
肝胆膵領域の外科手術において胆道の再建が必要となる場合には,一般的に胆管―腸吻合により胆道を再建する.しかし,この再建法においては,必ず十二指腸乳頭部(ファーター乳頭部)の逆流防止機能が廃絶されることとなり,少なからず逆行性胆管炎が起こる.さらには,長期経過において狭窄やがんの発生が報告されており,この再建法は理想的とはいえない.筆者らは,これらの問題点を考慮し,可能な限りファーター乳頭部の逆流防止機能を温存する手術法を検討している.本稿においては,筆者らの検討している生体吸収性材料を用いたtissue engineering による胆道再生療法を紹介し,臨床応用への今後の展望を述べたい.