主催: 横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
プロジェクトには多くのリスクが存在する.それらのリスクを管理するためには,言葉として記録する必要がある.このとき,人による認識のずれが生じないように適切な言葉で記述することは難しい.また,複数の人でリスクの洗い出しを行う場合は,同一のリスクを別々の表現で記述してしまうことがある.その場合,単に項目が重複しているというだけの問題にとどまらない.例えば,各リスクの発生確率と影響の大きさを用いて,プロジェクト全体のリスクの大きさを計算している場合は,関連するリスクを重複して計上してしまう.このようなことを発生させないためには,まず,人による表現の揺れが少なくなるように,できる限り標準化された形でリスクを記述することが望ましい.そこで,本稿では,人による表現の揺れを少なくするリスクの記述方法について検討する.