抄録
医療は,傷病者の健康を取り戻すというコトつくりの側面を強く持っており,医師・看護師を初めとするさまざまな職種がかかわって業務が遂行されている。そのためには医療情報の円滑な流通や共有が必要であり,それを支援するのが電子カルテシステムである。さらに,電子カルテシステムは医療の記録として日常の医療業務を支えるばかりでなく,医療経営や医療安全などにも幅広く活用できる可能性を秘めている。本発表では,電子カルテシステムが本格的に稼働している大学病の1例として東邦大学医療センター大森病院における電子カルテの実際を紹介を通して分野横断的あるいは職種横断的な医療支援システムの構築過程および稼働の実際を通じて,その意義や可能性,問題点などを検討する。