横幹連合コンファレンス予稿集
第3回横幹連合コンファレンス
セッションID: 3C3-5
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医療安全のためのシステム
*長谷川 友紀
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抄録
医療の安全は、医療への信頼確保のために必須である。1999年の米国医学研究所のレポート「人は間違えるもの」以来大きな社会問題となっている。2002年の医療安全推進総合対策では、_丸1_人、物、組織などの要素と、組織を運営するシステムの双方からのアプローチ、_丸2_個人の責任追及ではなく安全なシステムの構築、_丸3_患者の安全を最優先に考える安全文化の醸成が、方向性として示され、安全管理指針の作成、院内報告制度、安全管理委員会の開催、職員研修の実施など、個々の病院が整備すべき体制について示された。関連団体の活動としても、2002年には医療機能評価機構の評価項目が見直され、医療安全に関する項目が大幅に拡充され、病院団体などが主催する医療安全推進者の研修が開始されるなどの取り組みが始まった。2005年の医療安全対策ワーキンググループ報告書では、医療安全推進総合対策を見直し、さらに患者参加の視点が取り入れられるべきであるとされている。2006年からは医療安全が診療報酬で評価されるとともに、医療安全推進者の教育研修の標準化も課題となっている。本発表では、医療の質と安全についての概念整理、医療事故の実態、医療事故・ヒヤリハット報告制度の現況、医療訴訟の問題、患者参加の可能性、医療安全推進者の養成と活動、などの論点について、最近の動向を示す。
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© 2009 (NPO)横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
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