会議名: 第20回バイオメディカル・ファジィ・システム学会
回次: 20
開催地: 北九州
開催日: 2007/08 -
p. 161-162
フィブロネクチン蛋白は極めて多機能を発揮する複数の機能ドメインの集合体である。mRNAの解析から、フィブロネクチンの進化の過程は、原始フィブロネクチン遺伝子が重複を繰り返し、複数の異なった結合機能を獲得した結果であると考えられた。我々は機能ドメインの1つである細胞結合ドメイン領域に着目し、小さな遺伝子の重複(tiny gene duplication)を解析した。その結果、細胞結合ドメイン全体にtiny gene duplicationが見られた。その値は9.9%であり、高度重複遺伝子として知られるAlu Familyの1つと同じ値であった。次に同じ方法でエラスチンの進化を調査した。その結果、我々はエラスチン遺伝子の中に内部融合領域を発見した。その領域内でのtiny gene duplication の値は28.0%であり、非常に高い事が分かった。従って、エラスチンはtiny gene duplicationと原始遺伝子の内部的融合によって構築されたと考えられる。