バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集
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大学生駅伝選手における腸内環境の改善が鉄栄養状態へ及ぼす影響
*渡邊 香緒里*谷口 耕輔*杉田 正明
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p. 6

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抄録
腸内環境が改善することにより鉄代謝の抑制を防ぎ、鉄栄養状態の改善へつながる可能性がある.大学生駅伝選手に対し腸内環境を整える食事内容への介入を行うことで、腸内環境の改善が鉄栄養状態へ及ぼす影響を検討することを目的とした.大学生男子駅伝ブロックに所属する選手12名を対象に、2024年4月から2025年1月の箱根駅伝本選までの期間を調査期間とし、血液検査、腸内細菌叢検査、食物摂取頻度調査を2~3か月に1回の頻度で計4回実施する.得られた検査結果を基に個別に栄養指導を行い、寮で提供されている食事内容に腸内環境を整える食材を取り入れるだけでなく、腸活目線での栄養セミナーを実施し、選手の知識レベルを高め行動変容につながるようにアプローチを行った.本発表においては、1回目と2回目の結果について報告する.食物摂取頻度調査では水溶性食物繊維の摂取量に変化は見られなかったが、ヨーグルト等の摂取頻度は12名中3名が減小、1名が増加していた.ただし、ヨーグルトの種類は全員がビフィズス菌入りのものに変更していた.また、腸内細菌叢は菌の多様性スコアと菌数に変化は見られず、血液検査結果においてもヘモグロビン、フェリチンの数値に変化は見られなかった.今回、食事内容への介入を行ったところ、水溶性食物繊維の摂取量は変わらなかったものの、ビフィズス菌入りのヨーグルトに変更するなど食事内容に変化がみられた.しかしながら腸内細菌叢の変化は確認できなかったため、今後は食事内容に加え摂取量を高めることで腸内細菌叢の変化ならびに鉄栄養状態への影響を検討していくことが必要である.
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