2005 年 13 巻 1 号 p. 16-25
2度にわたる石油危機があった1970年代からバブル経済崩壊後の1990年代まで日本経済のCO2排出構造変化は,排出効率を示すCO2排出誘発係数は低下を続けており,改善を続けている.しかし,CO2排出量変化の要因分解では,1990年から1995年にかけて投入構造がCO2排出を増加させるように変化しており,1995年以後に排出効率が悪化していく可能性がある.また,貿易における影響は,1975年から1995年にかけて輸入を拡大することで,CO2排出を削減する傾向を強めている.このことは,日本の輸入相手国に対してCO2を排出させていることになる.